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ABC予想、ついに証明される。

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連日コロナ報道の中で、唯一明るいニュース。

京都大学理研究所の望月新一教授によって、なされた快挙。フェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズポアンカレ予想を証明したグリゴリー・ペレルマンに続き、数学殿堂入りが確実となった。

ABC予想とは何ぞや?

互いに素な自然数a,b,c が

 a > b, a + b = c

を満たしている時、任意のε>0に対して

 c > rad(abc) ^ (1+ε)

となるa,b.cの組の数はたかだが有限個である。

 ここで関数rad(n)はnの相違なる素因数の積をあらわし、nの根基(radical)という。 たとえば、

  • rad(2) =2, rad(3)=3, 一般に素数pに対してrad(p) = p
  • rad(4)=rad(2^2) = 2
  • rad(6)=rad(2*3)=6

といった具合に。そして、ほとんどの(a.b.c)に対してc < rad(abc) であり、そうでないものの一つはa=1, b=8, c=a+b=9 に対するrad(abc)=rad(1*2^3)=8 < c など。

そして、c < rad(abc) となる(a,b,c)は無限に存在するもののc > rad(abc)よりもずっと少ない。

ABC予想によると、たとえばε=0.000001であってもc > rad(abc)^(1+ε)を満たす(a,b,c)は有限個しか存在しない。

以上の説明のため、とてもわかり易い動画があったので、観ていただきたい(長いですが、コロナ外出自粛のご時世にじっくり觀るのは乙なものです)

www.youtube.com

強いABC予想

上の動画でいう「ABC’予想」強いABC予想とよばれ、望月教授が証明した前節の「ABC予想」は弱いABC予想とよばれることがある。強いABC予想は未だに未解決問題だという(証明も反例も見つかっていない)

互いに素な自然数a,b,c が

 a > b, a + b = c

を満たしている時、

 c > rad(abc) ^ 2

となるa,b.cは存在しない(強いABC予想

そして、強いABC予想が真であるならば、 フェルマーの最終定理の初等的証明が得られることを、上の動画では説明している。コロナ自粛で部屋でゴロゴロしている時にこそおすすめ動画かも。

ラジカルという言葉

ところで、このラジカル(基)という言葉、なんとなく化学っぽい。化学用語のラジカルとは不対電子を持つ原子や分子で、酸化還元反応により安定な物質となるらしい。

素数自然数の構成要素と考えると、例えば24=2^3*3に対して、rad(24)=2*3=6だから24は2と3からできているよ、と言われると、2を酸素原子、3を炭素原子して24は二酸化炭素だよね、とやや無理に納得できる。

望月教授は数を原子や分子のようなものだと考えたのかもしれない。宇宙際タイヒミュラー理論という凡人には想像できない理論を構築した数授は、相対性理論を構築したアインシュタインのような理論物理学と同じようなものを見ていたのかも。